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○ 基 盤 岩 類
白亜紀後期になると、西南日本内帯(中央構造線より北側)は完全に陸域となりました。そこでは大規模な火山噴火と花崗岩類の貫入が広範囲に起こり、古第三紀まで断続的に続きました。このような火成活動を主体とする変動を広島変動と呼びます。
火成活動はおもに中−酸性マグマの活動による火山活動と深成活動からなります。火山活動は溶岩よりも火砕岩類を主体とする活動が多く、深成活動はおもに地下浅所に貫入した花崗岩類で特徴づけられます。火成活動の範囲はほぼ全域で起こっていましたが、徐々に北側へ狭められていきました。
近畿・中国地方では白亜紀−古第三紀火成岩類の時間的・空間的な関係より、東西方向に広がる地帯区分がなされており、南から北へ領家帯・山陽帯・山陰帯と呼ばれています。
地帯区分による土木工学的な性状の差異はとくにないので、以下、地帯区分には従わず、火山岩類(噴出岩類)と貫入岩類に分けて解説します。
中性−酸性の火山岩類(安山岩−流紋岩)が主体ですが、どちらかといえば酸性火山岩類(流紋岩)が多いです。また、正式な意味での火山岩(溶岩)よりも、むしろ火砕流堆積物(火山砕屑岩)が主体となっています。
岩石は硬質で、とくに溶結凝灰岩と呼ばれるものは非常に硬く、ハンマーの強打によっても割ることが困難なものがあります。亀裂としては構造的なものよりも、初生的に生じた冷却節理(柱状節理、板状節理)が多く見られます。しかし、場所によっては非常にもろく、土砂状となった凝灰岩も分布することがあります。
貫入岩類には岩脈や岩床を形成するものと、底盤(バソリス)を形成するものがあります。
噴出岩類と同じく、中性−酸性の火成岩からなります。
いずれも硬質な岩盤を形成します。
おもに花崗岩類からなります。各地帯に見られますが、領家帯に広く分布しています。
花崗岩類は硬質な岩盤を形成しますが、花崗岩類の特徴は何といっても深層風化することにあります。花崗岩の風化したものはとくに真砂(マサ)と呼ばれ、特殊土の扱いがなされます。土木建設にあたっては、真砂の性状を理解して臨む必要があります(第1編参照)。
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