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火山活動によって生成した岩石には、マグマが冷却固結したもののほかにマグマやそれ以外の噴出物(火山砕屑物)が堆積し固結したものがあります。これらは 火山砕屑岩(火砕岩) と呼ばれており、その堆積の仕方にはおもに次の2通りがあります。
[降下火山灰]
火山砕屑岩は一般に堆積岩に分類されますが、上記のうち火砕流によって生成した岩石のなかには、火山岩と同様な岩盤性状を示すものがあり、火成岩(火山岩)に分類するのが妥当であると思われるものもあります。そのような岩石は一般的に火山活動のマグマの成分によって頭に「流紋岩質」、「安山岩質」、「玄武岩質」という言葉をつけて、構成物質の粒径によって下記のように分類されます。
また、大規模な火砕流によって生成した岩石は、火砕流に取り込まれた岩片などが高温・高圧により、レンズ状に薄く引き伸ばされることがあります。このような岩石は 溶結凝灰岩 と呼ばれます。
火成岩の産状を下図に模式的に示します。
深成岩はおもにバソリス(底盤)と呼ばれる大きな貫入岩体を形成します。
火成岩はマグマが冷却固結したものであるため、基本的には生成年代にかかわらず硬質な岩石です。 火成岩の岩盤性状は風化の進み方、亀裂の入り方によって特徴づけられます。
風化の進み方で特徴的なのは花崗岩です。花崗岩は風化が進行しやすく、山体の深い所まで風化(深層風化)することがあります。花崗岩の場合は後述のように亀裂によって大きなブロック状となり、その亀裂から風化が進行していきますので、風化部の中に未風化部(核石)がとり残されるといったような形態を示すことがあります。 花崗岩が風化して土砂状となったものをマサ(真砂)と呼びます。マサは特殊土とされており、厚い土砂状岩盤の層を形成し、掘削等によって表面にさらされると侵食や崩壊が生じやすく、また、さらに風化が進行しやすいといった問題点を含んでいます。
火成岩はもとのマグマの冷却の仕方によって亀裂の入り方が違います。 深成岩や半深成岩の多くは、地下深所でマグマがゆっくりと冷却固結するため、初生的には塊状岩盤あるいは体積収縮による亀裂が大きな間隔で入ったブロック状岩盤を形成します。この深成岩や半深成岩は地下深所で生成したものであり、現在、地表で見られるものは地殻変動によって隆起してきたものであるため、亀裂は岩盤が形成された後の地殻変動の影響を受けて入ったもの(共役節理など)が多いです。 半深成岩の一部や火山岩はマグマが地表近く、あるいは地上で急冷するため、冷却の際の体積収縮が急速に発生し、それに伴い初生的に岩盤に亀裂が比較的小さな間隔で入ります。このようにして生じた亀裂は冷却節理と呼ばれており、柱状節理、板状節理などの形態があります。 これらの冷却節理は冷却面の方向によって方向が特定されるため、深成岩などに入る亀裂に比べて定向性があり、比較的密度も高いので、斜面ではその方向によっては岩盤崩壊や落石が発生しやすくなります。
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