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木星面で発生する現象

木星面では絶えず様々な模様が発生したり移動したり形を変えたり消滅したりしています。
ここでは、木星面に見られる比較的大きな現象について紹介します。

|| 縞(Belt)の淡化と帯(Zone)の暗化

各縞では淡化、暗化を繰り返しています。

木星面でもっとも顕著な2本の赤道縞(NEB、SEB)のうち、北赤道縞(NEB)は常に濃い縞として認められますが、北組織(NEBn)はしばしば淡化しています。そのときにはNEBが細くなったように見えます。NEBの北縁には小さな明部の湾入(ノッチ)が見られますが、これはNEB内の白斑がNEBnが淡化したときにこのように見えるようです。

南赤道縞(SEB)も高緯度側の南組織(SEBs)が淡化しますが、こちらでは中央組織である南赤道縞帯(NEBZ)が顕著であることから、縞全体が淡化したように見えます。

帯でも時によって明るさに変化があったり、暗部が広がったりします。

赤道帯(EZ)はしばしば暗化します。それには周期性があるようです。その周期は太陽黒点相対数の変化とよく似ているそうです。また、先人たちの観測記録を見ていると、私の感じたところ、EZが暗いときにはSEBが淡化しており、また、大赤斑(GRS)の赤みが強いように見受けます。いかがでしょう?

|| 撹 乱

特定経度で発生した暗部がほかの経度に広がる現象は「撹乱」と呼ばれています。

これは南熱帯(STrZ)、淡化した南赤道縞(SEB)に見られ、「南熱帯撹乱」、「南赤道縞撹乱」と呼ばれます。前者は単発的な現象ですが、後者は淡化した状態からSEBが復活するときの一大イヴェントのようです。

上述のように北赤道縞(NEB)は常に暗い状態ですが、これは「北赤道縞撹乱」が常に起こっているという説があります。

|| mid-SEB outbreak

南赤道縞(SEB)の中央組織の特定の経度で白斑が次々に発生し、通常の気流の流れとは逆向きに、順次前方(東方)へ移動していく現象です。末端部は大赤斑(GRS)後方(西方)に伸びる白雲の流れの北側にまわりこんでいって消滅するようです。


1998年に発生したmid-SEB outbreak (8月9日〜8月15日のスケッチをもとに作成)
多数の白斑が連なった様子が印象的でした。
(このスケッチでは末端部の状況が不明瞭)

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