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木 星 と は ?

木星とはどんな惑星か?簡単に紹介します。

|| 概 要

木星は太陽から5番目の軌道を公転している太陽系内で最大の惑星です。

地球からは夜空でひときわ明るく輝いて見えます。明るいときで-2.5等を示します。明けの明星、宵の明星で知られる金星の-4.0等には及びませんが、木星は衝のときには一晩中夜空に輝いています。

視直径が大きく、小望遠鏡でも容易に観測ができます。口径8cmもあれば木星に特徴的な縞模様がよく見えます。木星はまた、自転軸が軌道面に対してほぼ垂直であり、地球からはつねに真横(真正面)から見ることができ、自転周期が速いこともあって、模様の変化を追うのに適しています。

16-17世紀のイタリアの科学者、ガリレオ・ガリレイが観測したことで有名な4つの大きな衛星をはじめ、60以上の衛星を有しています。その数は年月とともに発見されていくので、いくつとは言い切れません。また、土星ほど立派ではありませんが細い環をもっています(地球からは見えません)。

1970年代のパイオニア、ボイジャー、1990年代のガリレオと、いくつかの探査プロジェクトが実施されてきました。これらによって、木星大気の様子や衛星のことが分かってきました。木星の内部構造も徐々に分かってきています。

探査機による探査は、驚くべき新事実を次々と明らかにはしましたが、あくまで短期間の、いわゆる"点"の調査です。地球上からの継続的な"線"の観測を行うことも重要です。

近年ではCCDカメラによってアマチュア天文家でも格段に高精度な観測が行えるようになり、世界的に盛んに行われています。

|| 木星の諸元

項 目 木 星 地球との比較
(地球=1)
太陽からの平均距離 779,000,000 km
(太陽光の到達時間: 43.3 分)
5.2
公転周期 11.9 年 11.9
半径 赤道: 71,398 km
極 : 66,770 km
(赤道半径:極半径 = 15:14)
11.2
10.5
質量 1.901E+30 g 318
平均密度 1.33 g/cm^3 0.24
自転周期 体系I: 9 h 50 m 30.003 s
体系II: 9 h 55 m 40.632 s
体系III: 9 h 55 m 29.711 s
0.41
熱放射/入射 比 1.9 〜 2.5 ?

木星の公転周期は約12年です。このため、地球から見ると、1年ごとに黄道12星座を1つずつ移動していくことになります。

木星は小さな望遠鏡でも分かるように扁平な形をしています。これは巨大なずう体の割に9h50〜55mという短い周期で自転しているためです。

木星は以下に示すように固体表面を持たないため、緯度の基準となる点がありません。そのため、便宜上、体系I、体系II、体系IIIの3種類の緯度システムが定められています。

体系I : 赤道付近の低緯度の模様に適用
体系II : 中緯度から高緯度の模様に適用
体系III : 木星内部の自転周期とされている

土星、天王星、海王星を含む木星型惑星の特徴として、平均密度は水に近い値を示します。

木星にはまた、太陽から受ける熱量よりも約2倍以上も多い熱を放出しているという特徴があります。

|| 木星の内部構造

木星の組成のほとんどは水素とヘリウムで、太陽とよく似ています。

厚さ約1,000kmの大気層を有しており、その下に約25,000kmの厚さで液体水素の海があり、さらにその下に液体金属状水素の層があると考えられています。

木星の中心部には半径約12,000kmの固体の核がある可能性がありますが、詳しいことはよく分かっていないようです。

|| 木星の大気

木星大気の厚さは約1,000km(970km)あります。木星本体の大きさに比べれば、りんごの皮のように薄い部分です。私たちは木星を見る場合、この大気の表面を見ていることになります。

大気の組成は本体と同じく水素とヘリウムからなり、微量のアンモニア、メタン、水分を含んでいます。

木星大気は対流や鉛直運動が非常に活発であるのが特徴です。これには速い自転速度が大いに関係しています。

別項に示しているように、木星面には赤道に平行な縞や帯などの模様が見られます。明るい帯の部分では上昇気流が起こっており、アンモニア結晶の雲が覆っています。暗い縞の部分では下降気流によって雲の晴れ間が見えていると考えられています。

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